新しい観念

言語と社会関係との関係に触れるなかで、新しい観念あるいはある観念の新しい用法は、同時に社会関係の変化であることを説明している。

友情という観念を例にとろう。ペネロープ・ホールの本、『現代イギリスの社会事業』には、ソーシャル・ワーカーは対象者と友情関係を確立しなければならず、しかもかのじょは、自分を雇っている機関の方針に従うことが第一の義務であることを決して忘れてはならない、と述べられている。さて、これは、これまで理解されてきた友情という観念の歪曲だといえる。友情という観念には通常、この種の--二心あるやり方とはいわぬまでも--分裂した忠誠は含まれないからである。つまり、古い観念がこの新しい観念に道を譲った分だけ、社会関係は貧困なものになる.......のである。........言葉の意味を説明することとは、それがどのように使用されるかを叙述することであり、その用法を叙述することとは、それが入り込む社会的交渉を叙述することなのである(Winch, 1953: 123=151f.)。

この周辺の議論は、たしかにざっくりと書かれてはいるが、これまでとはことなった形で概念の分析の文体を模索していく足がかりになると再認識している。

社会科学の理念―ウィトゲンシュタイン哲学と社会研究

社会科学の理念―ウィトゲンシュタイン哲学と社会研究

とはいえいつもの通り、書けない。