2016-01-01から1年間の記事一覧

language, not belief

I have wanted, in the foregoing discussion, to distinguish between the beliefs people hold and the language in which those beliefs are expressed and which makes them possible. And I have tried to undermine the seductive idea that the gramm…

概念についての問い(信念についての問いではなく)

もしわれわれが、アザンデ族が信じている事柄という観点で彼らの妖術制度について考えるとすれば、「では、彼らが信じていることは真なのか偽なのか」という問いを招いてしまうと思われる。私はここで、この問いを招くと思われると述べた。それは実際問題、…

Comment

ある人物が「妖術師などいない」と述べるのに対し、私が1964年の論文「未開社会の理解」においてこれに反対したとき、私はあのような主張を否定していたのではない。「いや、実際妖術師はいる」などと言っていたのではない。つまり、私がザンデの信念を「是…

道徳から見た行為者とその行為

この論点〔道徳が行為者の選択とその理由づけだけにではなく、それがなされる状況しかも行為者から見られた状況に関わっているという論点〕を表現するために、状況、状況が提起する問題、そしてその問題を論じるのに適しいタイプの理由、これらは或る何らか…

やろうと努めること

私の主要な論点を一般的にまとめて結論としよう。悪いことを行えば人は悪いものになる(キリストの言葉で言えば、人は「けがされる」)。このようにして人が何になるかは、人が入り込んでいる他人との複雑な関係の網の目と切り離すことができない。この網の…

「人間の本性」という問い

人間の本性という概念は、通常は何らかの形の「相対主義」に関連して、社会諸科学の本性や射程をめぐる議論のなかに登場する。時と場所が異なれば人間生活の諸現象には非常に多くの、しかも明らかに排他的な多様性がある、ということに直面すると、我々は、…

Convergence

ヴィヴラフォン奏者ウォーレン・ウルフ(Warren Wolf)の、この6月にリリースしたジャズ・アルバム。バックは、ベースにC. マクブライド、ピアノにB. メルドー、ギターにJ. スコフィールド。すごいですね。すごいメンツで、みなそれぞれのスタイルで演奏して…

「施設で生きるということ」

有薗真代, 2016, 「施設で生きるということ――施設生活者の戦後史からみえるもの」『世界』887, 49-55. 障害者の施設生活をめぐる既存の価値観、言い換えれば、施設を否定し、脱施設化・地域生活を肯定するという二項対立的な見方に対し、本論は問題提起を行…

『精神病と統合失調症の新しい理解』

Cooke, A., ed., 2014, Understanding Psychosis and Schizophrenia, British Psychological Society(国重浩一・バーナード紫訳, 2016, 『精神病と統合失調症の新しい理解:地域ケアとリカバリーを支える心理学』北大路書房) 精神病者への支援のあり方を、…

二つの学会報告についてのメモ

2016年7月2日より7月14日まで、ヨーロッパの3都市を訪れた。 目的は二つの学会報告で、これについては下に記す。ちなみにこの二つの学会の合間に少し時間があるのでマンチェスターを訪れ、エスノメソドロジーという研究領域において高名な研究者に研究上の助…

ウィンチェンシュタイン?

Dupré, John., 2016, Social Sicence: City Center or Leaft suburb, Philosophy of the Social Scienes, 1-17. DOI: 10.1177/0048393116649713 ウィトゲンシュタインに依拠した社会科学論――その中心にはP. ウィンチのそれがある――について、批判的立場を示…

『概念分析の社会学2 実践の社会的論理』

『概念分析の社会学2 実践の社会的論理』という論文集が刊行されることになりました(4月12日の時点では、紀伊國屋書店新宿本店にて限定的に販売しています)。多様な実践を対象に、それぞれの固有性を構成している概念連関を記述することを目指した論文集で…