interactive kinds

interactive kinds(相互作用類・相互作用する種類)。人間について適用される概念・分類で、適用される人間に影響をもつようなもののことを指している(103=236f.)。
こうした影響の根拠として引き合いに出されるのが、人間の行為や人間のあり方が、当の人間に入手可能な記述から独立ではないという点である。言い換えると、そのような記述が当の行為や人間のあり方の不可欠な構成要素であるという点である。
したがって相互作用類で焦点が当てられているのも、こうした関係が成立する行為であり人間のあり方だということがわかる。
しかしそのうえで、こうした関係を「相互作用」と呼び、また概念と人間との関係を「影響する」と呼ぶことは、当の現象を曖昧にしてしまうような印象が残る。
たとえばある概念が自分に適用されていることを自覚する。そのうえでその分類に結びつくような行為Aをさし控えるというような場合。これは相互作用類において生じる「影響」(ループ効果)の例と言えると思う。そしてこのとき、行為Aをほかでもなく「さし控える」ということは、当の分類と行為Aとの結びつきを前提にしたうえでなしうる行為のはずだ。分類と自分の行為の間には成立しているのは、「影響」「相互作用」ということで連想させるような外在的関係ではない。


ただしこのように言ったからといって、相互作用類という概念を批判しているわけではない。言いたいのは、相互作用とか影響ということでどのような事態を指しているのかを明確にしておく必要があるということだけである(もちろんこの点については、著者は別のところで比較的明確にしているように思う)。とりわけ「歴史的存在論」の試みを理解するためには、冗長と思われるかもしれないが、やはりそれが必要だと思う。


何が社会的に構成されるのか

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