Marshall Hyatt 1979
The Emergence of A Discipline (University of Delaware, Ph. D. dissertation).
今日はChapter 6. The Confrontation with Nativism。あいかわらず概念的な検討の鋭さとは無縁のたんなる伝記だが、F. ボアズの来歴についての基本的情報も押さえておこうと思って読み始めちゃったので終わりまで、と思って読んでいる。昨年ボアズのanthropometory関連の論文を集中して読んだときに再認識したことだが、彼らの文化決定論的発想はメンデルの再発見を積極的な構成的契機とすることで存立している。いわば役割分担といったところか。
そしてChapter 6と7,そしてEpilogueまで。内容はあっさりとしたもの。"Eugenics"論文や、Madison GrantおよびLothrop Stoddardへの書評論文へのもう少し立ち入った議論があってしかるべきだろう。しかし著者によれば、ボアズの人種主義批判の骨格は1900年代から移民委員会報告までの議論でほぼできあがっているとのことだった。