Lynch, M., 1993

  • Lynch, M., 1993, Scientific Practice and Ordinary Action, Cambridge U. P.

6章を久しぶりに再読。会話分析という現象についての視点を得るために。再読したのは、同じ著者を含む以下の文献から。

  • Bogen, D. and Lynch, 1993, "Do we need a general theory of social problems?" in Holstein, J. A., and G. Miller eds., Reconsidering Social Constructionism, Aldine, pp. 213-237.

会話分析にしても、また社会問題についての構築主義にしても、リンチの議論からはいろいろと学ぶべき点があるように思った。おなじくウィトゲンシュタインにアイデアを得たエスノメソドロジーの展開といっても、J. クルターらのものと比べると、その叙述の深度がことなるように思われる(たしかに日常言語の理解可能性を現象記述の拠点にしている点では同じだが)。この点は、たとえば会話分析を再分析していくこの6章だったり、「社会問題言語ゲーム」という概念のボーゲン&リンチ流の使い方(216)などから、うかがえた。