共同治療者としての両親

  • Kanner, L., 1971, "Follow-up study of eleven autistic children," Journal of Autism and childhood Schizophrenia, 1(2), 119-45(=1978, 十亀史郎ほか訳「1943年に最初に報告された11名の自閉症児童に関する追跡調査研究」『幼児自閉症の研究』黎明書房, 177-208).

両親(とりわけ母親)が、自閉症児についての個別的知識と深い関わりゆえに共同治療者として認められ、と同時に家庭が治療の場の延長となっていく。

両親は、親―子どもという双極の一方に立つ人物としてよりもむしろ相互性の見地から取り扱われだした。すなわち、最近彼らは病因論上の被告〔culprits; 引用者〕としてではなく、またたんなる薬物の受け取り手ではなく、あるいはこうすべきである、こうすべきでないという指示を受けるものとしてではなく、積極的な意味で共同治療者と認められるようになった。