Mannheim, 1924

「歴史主義」『マンハイム シェーラー 知識社会学現代社会学大系)』青木書店, 8頁.
史記述(あるいは個別の経験・事象)と歴史主義(意味を与える全体性)について。

以前には、それぞれの個々の経験を囲い込み、それによって哲学的たらしめる宗教的体系があったが、いまでは研究のなかで自己をますます具体化し、精密化し、そしてわれわれの世界をまさに歴史主義のたすけによって哲学的たらしめている歴史哲学的ヴィジョンが存在している。歴史哲学と歴史記述とのあいだを厳しく区別すること--そこでは後者は、前者から完全に切りはなされた個別科学と考えられている--が、特定の時代の見解ないし近視眼的見方に相応したものでしかないだろうということは、いよいよ明らかになってきている。同時に歴史哲学が、外見上もっとも専門化されているように見える個別研究の根底に横たわっているということも、ますますあきらかになりつつある--もしそうでなければ、個別研究は、その問題設定をどこからえられようか--。