2007-01-01から1年間の記事一覧

デイヴィッド・リンチ

『美術手帳』の10月号は、デイヴィッド・リンチの特集が、パリのカルティエ美術館で行われている個展を中心に、組まれている。そこには、彼による絵画と写真(というか写真の加工)のいくつかも掲載されている。フランシス・ベーコンを連想させるような絵画…

戦術としての歴史・記憶

翻訳が出たのでようやく読んでみた。『言葉と物』いらい、どうすべきか迷っていた部分に明快(すぎる?)見通しを与えてくれる印象深い一節をメモ。 フランス革命期に描かれる二つめのプロセス〔ひとつめとは、歴史言説による戦争の一般化〕とは、この戦術が…

Ben Harper, 2007

この人、毎年毎年、よく出すよと思うが、今度のは良いですね。全編、抑え気味で。Lifelineアーティスト: Ben Harper,Innocent Criminals出版社/メーカー: Virgin Records Us発売日: 2007/07/27メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る

McGinn, C., 2007

McGinn, C., 2007, "How You Think," The New York Review of Books, 54(14). (http://www.nybooks.com/contents/20070927) Pinker, S., 2007, The Stuff of Thought: Language as a Window into Human Nature, Viking Press. への書評。 言語構造から心の本…

Cavalli-Sforza, L. L. &Cavalli-Sforza, F., 1993=1995

Cavalli-Sforza, L. L. &Cavalli-Sforza, F., 1993=1995, 千種堅訳『わたしは誰、どこから来たの』,三田出版会. 古書を某所から購入。しかし落丁してます。問い合わせたら、知らなかった、代金はいいから処分してください、と。どういう商売してるんだろう。…

Gannett & Griesemer, 2004

Gannett, L., and J. R. Griesemer, 2004, "The ABO blood groups: Mapping the history and geography of genes in Homo Sapiens, in Rheinberger, H. et al. eds., Classical Genetic Research and Its Legacy, Routledge, pp. 119-172. 某所でカウントダ…

斎藤, 2005

斎藤成也, 2005, 『DNAから見た日本人』ちくま新書. 近年、けっこうな数出版されている「日本人ルーツモノ」から、とりあえずひとつを手に取ってみる*1。所々に挟まれているコラムが初学者には便利だったりする。たとえば少し気になっていたCavalli-Sforzaに…

少し休み

ここ4ヶ月、仕事場でも家でも車でもキース・ジャレットを聴き直し続けてきた(ただしソロは聴きません)。この間に聴いていた作品の多くは、ある事情でずっと前から家にあったのだけれど、そのあまりに下品なうなり声を除けば、気にとめることもなかった。そ…

mythologische→方法論的 ?

Wittgenstein, L., [1953]1958, Philosophiche Untersuchungen, Zweite Auflage, Blackwell. §221. Mein symbolischer Ausdrick war eigentlich eine mythologische Beschreibung des Gabrauchs einer Regel. 藤本隆志訳, 1976, 『哲学探究』大修館書店. §221…

鎌谷直之, 2007

鎌谷直之, 2007, 『遺伝統計学入門』岩波書店. テクニカルな詳細にまで踏み込むつもりはないのだけれど、個人的にとてもタイムリーなこの書をつうじて、遺伝学における統計的推論の大枠を理解するところまでは行きたいと思う。遺伝統計学入門作者: 鎌谷直之…

Gaudilliere, J.P., & Rheinberger, H. J., eds., 2004

Gaudilliere, Jean-Paul, and Rheinberger, Hans-Jorg, eds., 2004, Classical Genetic Research and its Legacy, Routledge. Gaudilliere, Jean-Paul, and Rheinberger, Hans-Jorg, eds., 2004, From Molecular Genetics to Genomics, Routledge. 遺伝学に…

@盛岡

盛岡へ。目的はあるところから聞いた評判のお店(食堂園という名前)の冷麺。ついでにカルビとタンも堪能する。その後、市内東部の動物園に移動。こんなに無駄に歩かされる動物園ははじめて。それぞれの動物の檻が山の斜面のなかに点在しており、かつ多くの…

Baker, G. P. & P. M. S. Hacker, 1984

Baker, G. P. & P. M. S. Hacker, 1984, Language, Sense and Nonsense, Basil Blackwell. 哲学的意味論とチョムスキー言語学への辛辣な言葉で、しめて389頁分(訳書はあるものの、半分略されていてしかもきわめて読みづらいのでパス)。 他の仕事との兼ね合…

背中の筋肉

ストレッチ運動中に、また背中の右側の筋肉を痛めてしまった。姿勢を正したり、良い姿勢で歩いたりすると、とっさに「ウッ」と声が出てくる。それが自分でもおかしくて、笑いたくなるが、笑うとさらにいたくなるので笑いをこらえる。運動は健康に良くないと…

On the Cornerのコンプリートもの

Miles Davis, Complete On the Corner Sessions [Box set] 9月18日発売で、アマゾンで15,388円だとのこと。 で、どのていど新しい音が入っているんだろう。また、もし入っていたとしても、どのていど聴くに堪えうるものなんだろうか。そもそもジャズのボック…

翻訳と辞典・事典

ひたすら各種辞典と首っ引きで翻訳する(まだ先は長い)。かなり出遅れていてまずい感じ。 今回の新入りは、研究社-ロングマンさんちのイディオム辞典くん。なかなか便利なルーキーです。また、久しぶりに登板したベテランは、岩波さんちの生物学事典さん。…

前田・水川・岡田(編), 2007

前田泰樹・水川喜文・岡田光弘(編)『エスノメソドロジー』新曜社. お送りいただきました。ありがとうございます。これから読ませていただきますね。 一見したところ、コンパクトでありつつも、要点が過不足なく盛り込んであるとの印象をもちました。冗長な…

Coulter, J. & W. Sharrock, f.c.

Brain, Mind, and Human Behavior in Contemporary Cognitive Science: Critical Assessments of the Philosophy of Psychology,Edwin Mellen. 「またかよ」なのか、それとも「総括」なのか、判然としませんが、そのうち出るとのことです。 しかしf.c. であ…

ある特別支援学校へ

某大学の特別支援学校の研究発表会に参加(といっても、行く途中で迷ってしまい遅刻したのだけれど)。 基本は、現場の先生方の授業実践を研究のかたちで振り返るもの。そして各部会では、実際の報告と外部の方々によるコメントがなされる。各報告の形式に関…

データ整理

ここ2ヶ月ほど、忙しさにかまけ、取り込んだ取材録画データの整理を怠っていた。 映像はパソコンに取り込んで、同期化したりテロップを入れたり(施設スタッフに配布のため*1)音量を調整するなど、編集している。こうした編集済みデータを保管するのはもち…

自己物語・現実・研究方法

かりに自己物語が重要な自己の現実だとしてみる。そしてまた、かりに物語ることが現実を構築することだとしてみる。そして心的苦悩はこうした構築された自己物語の有り様だ(あるいはそれに由来する)としてみる。ちなみに「自己物語」に「社会問題」を代入…

へんな本(f. c.)

Hacking, I., f. c., How to Read Foucault, Granta Book. 本家アマゾンにはありませぬ。.jpと.frにはありますが。しかしそこでも、イメージには別の著者名が(オクサラとは、ハッキングさんの別名なのか)。さらに発売日は2006年9月4日とも。How to Read Fo…

注意

CNET Japanより(http://japan.cnet.com/column/rwweb/story/0,2000090739,20352405,00.htm) 知覚の宙吊り―注意、スペクタクル、近代文化作者: ジョナサンクレーリー,Jonathan Crary,岡田温司,大木美智子,石谷治寛,橋本梓出版社/メーカー: 平凡社発売日: 20…

Conrad, P., 1976→2006

Conrad, P., 1976, Identifying Hyperactive Children: The Medicalization of Deviant Behavior, Ashgate. ある準備のため、そして今やっている調査準備にとっても便利なので、読んでみる(お値段はえらく高くて後悔しているのだが)。ただただ、唸るばかり…

Lynch, M., 1993

Lynch, M., 1993, Scientific Practice and Ordinary Action, Cambridge U. P. 6章を久しぶりに再読。会話分析という現象についての視点を得るために。再読したのは、同じ著者を含む以下の文献から。 Bogen, D. and Lynch, 1993, "Do we need a general theo…

見学と取材

実習の学生さんたちとともに、発達障害者関連の施設について見学と取材をおこなう。機材などのセッティングにも慣れてきたようで、とくに問題もなく終了した。なお、取材中にスタッフからうかがったお話からは、「自発的に参加する」ことを作り上げることと…

すこしやすみです

予定どおり、週末から水曜まで休むことにする。残念ながら近場には行きたくなる場所はない。そこで今日も近場の美術館に。 ここの施設、美術にはちょっとしか期待できないのだけれど、美術関連の図書資料と、映画、音楽、食事、読書には重宝している。そんな…

Malcolm, N., 1963, 1977

Malcolm, N., 1963, Knowldge and Certainty: Essays and Lectures, Cornell U. P. Malcolm, N., 1977, Memory and Mind, Cornell U. P. ほぼ10年ぶりにこれらの文献を読み直してました。これにほぼ3週間も使ってしまった。読むスピードが何とかならないかと…

抄録

ある学会の抄録を書いています。この学会報告は、ここ2年ほど続けてきたもの。けれども、実はこれからいろいろスケジュールが詰まっていて、「今年はお休みに...」などと思いつつも、なかなか言えない雰囲気ですので、「やります(えへんっ)」となってしま…